朝鮮民主主義人民共和国外務省の声明

朝鮮民主主義人民共和国外務省の声明

 今日、朝鮮半島では、日を追って増大する米国の核戦争の脅威と悪辣な制裁・圧力策動により、わが国家の最高の利益と安全がはなはだしく侵され、朝鮮民族の生死存亡を決する厳しい情勢が醸成されている。

 米国はこの前、強盗さながらの国連安全保障理事会の「決議」採択によってわれわれに事実上の「宣戦布告」を行い、ついで朝鮮半島とその周辺で第二の朝鮮戦争挑発のための軍事演習と兵力増強策動にいっそう熱を上げている。

 同時に米国は、われわれを経済的に孤立、窒息させて、朝鮮人民が選択した社会主義体制を崩壊させようという妄想のもとに、あらゆる卑劣な手段と方法を講じて、われわれに対する制裁・封鎖を国際化しようと躍起になっている。

 いまブッシュ政権は、彼らが定めた期限内にわれわれが屈服しなければ懲罰するという、最後通牒を突きつけているありさまである。

 米国の対共和国孤立・圧殺策動が極点を越えて最悪の状況を招いている諸般の情勢下で、われわれはこれ以上事態の進展を袖手傍観するわけにはいかない。

 われわれはすでに、ブッシュ政権の悪辣な敵対行為に対処して、国の自主権と民族の尊厳を守るために必要なあらゆる対応措置を講じていくであろう、と宣している。

 朝鮮民主主義人民共和国外務省は委任により、自衛的戦争抑止力を強化する新たな措置を講じるようになることに関連して、次のように厳かに闡明するものである。

 一、朝鮮民主主義人民共和国の科学研究部門では、今後、安全性がしっかり保証された核実験を行うことになる。

 われわれは、現米国政府が朝米基本合意書を覆し、われわれの自主権と生存権をはなはだしく脅かしたことに抗して、不可避的に核拡散防止条約から脱退した。

 米国の核戦争の脅威と制裁・圧力策動がエスカレートするに従って、われわれは、透明な対応過程を経て、合法的に現代的な核兵器を作り出したことを公式に宣布した。

 核兵器保有の宣布は、核実験を前提としたものである。

 米国の極端な核戦争の脅威と制裁・圧力策動は、われわれをして、それに相応した防御的対応措置として、核抑止力確保の必須の工程上の要求である核実験を行わざるをえなくした。

 二、朝鮮民主主義人民共和国は、絶対に先に核兵器を使用しないであろうし、核兵器による威嚇と核の移転をあくまで許さないであろう。

 自己の確固たる戦争抑止力がなければ、人民が無念やる方ない犠牲を強いられ、国の自主権が徹底的に踏みにじられることになるというのは、今日、世界各地で演じられている弱肉強食の流血の惨劇が示している血の教訓である。

 われわれの核兵器は、徹頭徹尾米国の侵略の脅威に抗して、わが国家の最高の利益と朝鮮民族の安全を守り、朝鮮半島において新たな戦争を防止し、平和と安定を守る確固たる戦争抑止力となるであろう。

 われわれはつねに責任ある核保有国として、核拡散防止分野において国際社会に対し担っている自己の義務を誠実に履行するであろう。

 三、朝鮮民主主義人民共和国は、朝鮮半島の非核化を実現し、世界的な核軍縮と最終的な核兵器の撤廃を促すために努力をつくすであろう。

 われわれは半世紀以上もの間、米国の核の脅威にさらされてきたし、そのため朝鮮半島の非核化を真っ先に提起し、その実現に向けて最大限の努力をしてきた。

 しかし米国は、われわれのあらゆる雅量と誠意を次々と踏みにじり、われわれが掲げた非核化の理念を、朝鮮人民が選択した思想と体制を孤立させ圧殺するのに悪用した。

 われわれの最終目標は、朝鮮半島におけるわれわれの一方的な武装解除につながる「非核化」ではなく、朝米の敵対関係を清算し、朝鮮半島とその周辺において、あらゆる核の脅威を根源的に取り除く非核化である。

 対話と協商を通じて朝鮮半島の非核化を実現しようという、われわれの原則的立場には変わりがない。

 われわれは、あらゆる挑戦と難関を果敢に乗り越え、われわれの方式で朝鮮半島の非核化を必ず実現するために極力努力するであろう。

(2006年10月3日 平壌)